デンマークで臨床検査技師の資格を取得するまで
2021年 7月 時点
(私の体験談をもとに記載しています。手続きの方法や必要書類は変わりやすいので都度確認してください。)
自己紹介:日本の4年生大学卒業後、臨床検査技師資格国家試験合格。卒後東京の大学病院にて8年3ヶ月勤務。その後デンマーク人パートナーとデンマークに移住。デンマーク移住後結婚、配偶者ビザを取得。2019年デンマークにて臨床検査技師資格を申請。2021年デンマークの総合病院検査部に内定。
①申請の道のり
医師・歯科医師以外の職種(ex. 看護師、助産師、理学療法士、、放射線技師、臨床検査技師、カイロプラクター、歯科衛生士、等)では申請方法は同じです。私は移住してから申請しましたが、申請するのは居住許可がない状態で外国からでも郵送でできます。
<EU・シェンゲン加盟国以外で教育を受けた場合>
簡単にいうと申請には3つのステップに分かれています。
1.他国での(私の場合は日本の)資格を審査、承認
2.B2レベルのPD3語学試験(Prøve i Dansk 3)をリーディング:スコア7、ライティング:スコア7、スピーキング:スコア10以上で合格する
3.6ヶ月間の評価付き研修(給与等は普通の検査技師と同条件)にて勤務先から肯定的な評価を受け取る
この3つのステップが終わるとデンマークで取得した資格と同等の資格として認められます。
②申請書類
指定されたアプリケーションフォームにオンライン上で記入して送信、その後フォームをプリントアウトして、下記の書類とともにデンマーク患者安全庁に送付する。
資料の翻訳は英語またはデンマーク語。教育機関・政府機関・または専門の翻訳家のみできる。
<書類一式>
1.氏名、生年月日、国籍の記入された身分証明書(パスポートのコピー:コピーは大使館等で本物であることを証明してもらう必要があります)
2.氏名を変更した場合はその証明
3.履歴書
4.卒業証書(わたしは原本に翻訳業者の翻訳をつけて提出しました)
5.教育機関での教育プログラムの詳細(教育機関から直接デンマーク患者安全庁へ送付)
・入学資格(日本の場合は入試を受けて入学する旨を伝えたら、記載しなくていいと言われましたが確認してください)
・教育の全課程終了までの期間
・専門科目外の講義・実習:各科目名、講義時間を記載
・専門科目実習:各科目名、実習時間を記載
・臨床実習:各実習機関名、実習内容、実習時間を記載
上記を必ず記載すること。私は大学から英文の成績表を取り寄せ、自分で上記の情報を集め、大学から承認してもらいました。その後大学から直接デンマーク患者安全庁に送付してもらいました。
6.6年以上前に教育機関を終了した場合は最低12ヶ月以上の就労証明を提出
7.教育終了の証明:専門フォーム(または教育機関独自のフォーマットがあればそれでもよい)に卒業した教育機関が直接記載し、サインを入れてデンマーク患者安全庁に送付する
8.資格の証明:専門フォーム(または政府機関独自のフォーマットがあればそれでも良い)に政府機関(厚労省)が直接記載し、サインを入れてデンマークの患者安全庁に送付する。
9.その他必要な資料(HPを確認してください)
これを全て送付したのち申請が受理され、約1年で日本の教育がデンマークの教育と同等であると承認されました。
③語学試験
デンマーク外国人・移民局が半年に一回行なっているデンマーク語試験PD3のB2レベルに上記の成績で合格しなければなりません。私は残念なことに数回受験しました…。受験に合格すると証明書がもらえるのでそれを患者安全庁に提出すると、次のステップ(研修先を探す)の案内が来ました。
④研修先(評価付き雇用)探し
私は検査技師のため、研修先はクリニックか病院という条件がありました。雇用条件(給与・休暇等)は普通の検査技師と同等ですが、最初6ヶ月間の評価付き研修期間に勤務先から勤務態度や技術・知識・語学力等について評価を受け、無事に肯定的な評価をもらえれば、デンマーク患者安全庁に評価を提出し、正式に免許を取得できます。
大きな病院の検査部5カ所ほどに事前に電話しておいて、語学試験に受かったら面接させてもらえるように頼んでいました。大体どこの病院もウェルカムで、試験が終わった後にすぐ連絡して2つの病院で面接をしました。結果大変嬉しいことに2つとも内定をいただいたのですが、どちらもとても魅力的でした。仕事内容、病院の規模やロケーションで1つの病院を選びました。
雇用先が決まったらデンマーク患者安全庁にその施設が研修先として適しているか判断してもらい、許可が出たのちに検査技師の仮免許が交付され、就労することができます。
私の申請〜研修先内定までの流れ
2019年 5月 デンマーク患者安全庁(the Danish Patient Safety Authority)に申請書類提出
2020年 1月 不足書類(大学卒業証書と翻訳)の提出指示→提出
2020年 5月 申請が通る
(2020年 7月 出産)
2020年 4月 求人の出ている総合病院の検査部に連絡、6月の語学試験に受かったら面接をお願いできるように連絡先を5件ほど確保
2021年 6月 語学試験合格 2つの病院に連絡したところ面接許可が出る
ここでデンマーク患者安全庁から再度資格が有効であるかを証明する書類を提出するように求められるので、厚労省に申請書類を送る
2021年 7月 面接、2ヶ所とも内定をいただく、コペンハーゲン郊外の総合病院検査部に決める
内定をいただいて、8月から勤務開始しようとしていたが、なんとデンマークからの書類が厚労省に届いていないことが判明(コロナの影響で郵便事情がとても不安定だった)。急いで日本の実家から再度申請書類を提出してもらい、7月半ばに厚労省が書類を受理。そこから書類作成、郵送してデンマークに届くまで1ヶ月半。デンマーク患者安全庁にメールでの提出ができないかお願いしたが厚労省から直接郵送された書類以外は受け付けないと言われた…。ここで大幅な時間ロス。8月勤務に間に合わず、再契約して10月からの勤務となった。
2021年 10月 勤務開始
長くなりましたが働けるようになるまでの道のりについて自分の記録のためにも書き起こしてみました。たくさんの人の協力なしにここまでくることはできませんでしたので、私ももし、この情報が必要な人がいたなら力になれると嬉しいなと思います。もしくは海外で医療職に就くのにはこんな方法もあるんだなぁというふうに軽く興味を持っていただけたらそれも嬉しいです。
デンマークで結婚は簡単?
ズボラな性格がすぐに出まして、ブログ立ち上げからすでに3ヶ月以上経過…。
というのも、ワーホリビザの申請方法などを書こうと思っていたんですが最近大幅に
変更になったらしく、古い方法をブログに書いたら逆に情報が混ざってよくないと思ったためです。(現在の申請方法詳細は下記大使館のホームページより見ることができます。英語)
http://japan.um.dk/en/going-to-dk/going-to-denmark-on-working-holiday/
私の時には書類を全て記入し、コピーを数部持って直接大使館に行く方法でした。
今はビザ申請に関する業務をVFS Globalという会社に外部委託したようでそちらの
ホームページからオンライン申請後、浜松町にあるオフィスに必要書類を提出するという流れになっているようです。
なので、今回はデンマークで正式に結婚した時のプロセスをご紹介します。
私は前回のブログでも書いたように結婚を申請した時にはすでにワーキングホリデーの滞在許可を持っていました。
なので私が結婚した条件としては
ということになります。
そしてこの条件では、結婚は日本で婚姻届を出すのと同等くらいに簡単だなと思いました!(その後のビザ申請は条件がだいぶ厳しくなりますので、それについては次回記載します)
<STEP1>
まずは自身の住むコミューンのホームページから、結婚の手続きについての詳細を確認します。オンラインまたは手書きで情報入力をし、書類をコピーします。
<STEP2>
その後申請したコミューンの市役所の結婚オフィスに行き、書類の確認と結婚式の日程を決めます。
結婚式は市役所内の結婚ホールもしくは教会を選びます。市役所は無料、教会は有料になると思います。
私たちはコペンハーゲン市役所ではなかったので、希望の日時がすぐ取れましたが、
コペンハーゲン市役所でさらに週末となると1ヶ月〜2ヶ月くらいは空きがないようです。
<STEP3>
挙式です。
私はこちらの家族を呼んで、証人になってもらいました。
誓いの言葉、サインをしたら婚姻完了です。
この後は3ヶ月以内に日本大使館に婚姻届を提出して、すべての婚姻契約が完了となりました。
コペンハーゲンに移住してきました
はじめまして。
デンマークに住んで1年半になります。
1年半の間にデンマーク人と結婚し、二人でコペンハーゲンに住んでいます。
昨年申請した滞在許可が5ヶ月待ってやっとおりたこと、近年めまぐるしく変化しているデンマークの移民政策に振り回されているので何かに書き残しておきたい、という思いでブログを始めることにしました。
今日は移住してから今までの経緯を自己紹介を兼ねてご紹介します。
もともと東京の病院で働いていた頃に今の旦那と出会い、東京で一緒に生活したり、その後数年の遠距離恋愛の末に私がデンマークに移住してきました。デンマークに来たのは2017年の夏、ワーキングホリデービザを取得して1年間の滞在許可を得ていました。
その後は彼が日本で仕事をさがして、一緒に帰国しようと考えていました。ですが、二人で話し合ううちに、もうしばらくデンマークに残った方が彼のキャリアや経済面でもいいのではないか、という考えに変わっていきました。
私のワーキングホリデーのビザの期限が2018年7月初旬に切れてしまったのですが、その直前の5月下旬にこの考えに至ったため、慌てて結婚や滞在許可について調べたのでした。
この2017年7月〜2019年1月の約1年半の流れをざっと書くと、
2017年7月 デンマーク移住
2017年8月〜12月 フォルケホイスコーレ滞在
2018年1月〜5月 パブリック語学学校開始(modul1,2)
2018年6月 結婚、滞在許可申請
2018年7月 ワーキングホリデービザ期限が切れる
家族用滞在許可の条件が厳しくなる(私はギリギリ前条件で応募できました)
2018年10月 プライベート語学学校開始(modul3 1modulあたり2500kr)
2018年12月 滞在許可申請が通る
2018年1月 パブリック語学学校開始(modul4)
最初の半年は今日本でも密かに知名度を上げているデンマークの「フォルケホイスコーレ」に入学し、全寮制の学校にてデンマーク人の若者とともに生活していました。
その後は語学学校に通ったり、スポーツをしたり、彼に頼らず自分自身でデンマークでのコミュニティを作ろうと動いていました。
ワーホリの期限が切れる前に市役所で結婚をし、結婚許可証を持って滞在許可を申請しにいきました。
その後は約5ヶ月間、滞在許可のない外国人として生活することになりました。高いお金を出して語学学校に通い、就労や無断での国外渡航は禁止されていたのでデンマークから出ず、それなりに楽しみを見つけてなんとかやっていました。冬じゃなくてよかったと思います…。国外に行くのは申請すればできるようですが、特に行きたいところもなかったので私はデンマークに留まりました。
やっと12月に市役所から滞在許可がおりたという連絡が来た時は本当に嬉しかったです!
今はまた語学学校に通いつつ、仕事を探したり一時帰国の予定を立てたりしています。
導入なのにかなり長くなりました…
デンマークでの国際結婚とその後の滞在許可について次回はまた詳しく書いていこうと思います。
フォルケホイスコーレについてや、コペンハーゲン近郊のおしゃれスポットとか面白いイベントとかもちょこちょこアップできたらいいなと思ってます。